◆一般には、高齢者や虚弱者の腰痛にはファーストチョイスとされている。寒湿痺(かんしつひ)(寒さや湿気で起きる関節、筋肉、骨などの異常)を呈する疼痛全般に広く用いる。 また、激しいスポーツで腰痛を起こす一時的な虚証にも用いられる。
◆気血(エネルギーや栄養)が不足して、筋骨(肝腎)の養分が足りなくなった結果、虚に乗じて邪(寒邪や湿邪)が入り込む。本方の治法は扶正祛邪(ふせいきょじゃ)(抵抗力を高めて病気の原因を追い払う)である。
◆肝は筋を栄養し、腎は骨を栄養するため、肝と腎が衰えれば膝と腰に異常が出やすい。筋と骨のトラブルにより、関節の変形、こわばり、屈伸困難などの症状が発生する。このようなケースによく使われる。
◆曲げられるが伸ばせないのは筋(肝)に病があり、伸ばせるが曲げられないのは骨(腎)に病があると言われている。
◆特に高齢者は、骨を栄養する腎が衰えやすい。腎が衰えている高齢者や虚弱者には、体の痛み以外に耳鳴り、健忘、めまいなど(腎虚の症状)を訴えるケースもある。
◆関節リウマチ、リウマチ熱、坐骨神経痛、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症などの骨や関節、筋肉の疾患にも応用されている。